片平とブリストルシュブンキン

ヘアワックスやスプレーなどの整髪料には髪を整えやすくするよう界面活性剤の入ったものが多いです。なぜなら髪の7割から9割を占めるタンパク質は、界面活性剤で「しなやか」になる換りに結合が破壊されるので、日常的に使う量が多かったりシャンプーのときに上手に洗い落としきれないでいると不自然に抜け毛が増えるようになり、薄毛を招きます。健康な人にすさまじく負担なら、AGA治療を行う上では大きな障害となる可能性もあります。使用するとしても低刺激性の整髪料を使い、スタイリングの際は必要な量だけをとり、整髪料が頭皮につかないようにするのが大切です。



医療保険の給付対象となる医薬品であれば患者は3割負担で済むのですが、AGAの薬はその中に入っていないため、AGA専門クリニックであろうと一般の皮膚科医院であろうと治療は保険外診療となり、10割を患者が負担することになります。費用面はどのような治療を選択するかで大幅に変わるので参考値を出すのが難しいのですが、比較的負担が楽なのは後発医薬品の内服薬(医師や薬剤師の注意をよく守り、自己判断で服用を中止しないことも大切です)を処方して貰うことです。
一方、美容的な面で優れているのは植毛ですが費用は高く、本人の願望次第では百万円以上かかった例もあります。名前からしていかにも男性だけのものと思われがちな男性型脱毛症ですが、女性だって発症しない理由ではありません。男性のAGAと区別するために現時点では女性男性型脱毛症、ちょっと見慣れない言葉かも知れませんが、FAGAと言われているのです。女性のFAGAが男性のAGAとちがうところは、初まりにM字型を呈することはなく、頭全体の毛の量は同じでも太さがなくなって薄毛を感じること、それから更年期以降でも脱毛抑制作用のある女性ホルモンは分泌されているので男の人のように顕著な進行はないという点です。



AGAの人口というのは日本ではそんなに増減がある理由ではありませんが、現在のところ約1250万人であると言われており、いまの日本で1億2000万人ほどの人口があるとして、大雑把な言い方かも知れませんが十人にひとりはAGAが原因の薄毛を発症していることになります。ただその計算の中には思春期前の学徒やおこちゃまのほか女性も含まれている理由です。

よって厳密に「成人」であり「男性」の割合から考えていくと、四人にひとり、加齢によるものを除けばさらに高い頻度で発症していることになります。男性ホルモン由来の脱毛症であるAGAは、毛の抜け始める部位が似ているのが特長です。
抜け毛はまえがみのはえ際と頭のつむじ部分に集中していて、後頭部や両サイドの髪は割合くっきり残るというサムライの月代のような形が最も多いです。そのような形態では無く、抜け毛で小さく円形のハゲができるのは円形脱毛症と言われ、AGAとはまったく関係ありません。



もうひとつAGAの特長としては時間と一緒に症状が進行するという点があります。
気になることがあれば皮膚科かAGAの専門医を頼り適切な治療をうけましょう。



セルフでAGAの治療をしていくのは、一部に限定すれば可能と言えます。地肌に髪を植毛する施術や、薬を毛根に直接注入するメソセラピーは医療機関(医師や歯科医師が治療を行う施設のことをいいますね)でなければできません。
しかし、薬の内服や外用薬の利用に限定すれば、個人輸入で購入することで自分だけで治療を完結することが出来るでしょう。その際も割安なジェネリック(後発)薬を利用すると、普通に病院に通った場合に比べてずっと少ない費用で治療が可能です。
テストステロンなどのホルモンの影響で発症するAGAは、思春期以降の男性なら無縁とは言い切れません。どれくらいの年代で発症する薄毛をAGAというのかは、はっきりとした定義がある理由ではありませんが、10代後半の未成年者の薄毛でもAGAによる薄毛である可能性はゼロではありません。けれども脱毛や薄毛の発症にはストレスや他の疾患などが隠れている場合がありますから、専門医の診察をうけることを推奨します。

晴山友璃穂のスイートハーブWORK OFF THE CLOCK
なお、近年AGAの主要な治療薬であるプロペシアは、成人以外には安全性が未確認であることから受診時点で未成年の場合はプロペシア以外の薬を処方されるでしょう。